笹サイレージの活用について
2018.01.14
観音池ポークは「作り手の顔が見える農業、消費者に支援される農業の展開」の理念の下、昭和62年に銘柄豚肉づくりに着手し、平成13年には町内養豚農家有志で生産販売に特化した組織と有限会社を立ち上げ、直売所を設置いたしました。
豚肉の美味しさの決め手となる餌には当初、宮崎大学指導の下で木酢酸(ネッカリッチ)を添加することで肉質向上に成功し、その後、宮崎大学、県畜産試験場等との産学公連携新技術実用化共同研究において、調理残渣(パン粉主体)のエコフィード給与により、脂肪交雑に富んだ、甘みのある柔らかい肉質を実現できました。
しかし、日欧EPAやTPPによる豚肉輸出関税の大幅削減が現実となり、生き残りをかけた戦略が必要となる中、県畜産試験場により開発された【笹サイレージ】が養豚の飼料の一部として活用できれば、オンリーワンの肉質、併せて地域環境保全への貢献等により消費者の支持を得られるのではないかと考え、行政及び関係機関のご支援をいただきながら給与試験に取り組んだところです。
そしてその結果、豚の飼料として活用できることが判明し、生育や肉質において遜色ない結果が出たばかりではなく、第60回宮崎県畜産共進会肉豚枝肉の部において栄えある優等1席グランドチャンピオンに輝くことができました。
私共といたしましては、この結果を基に新たなブランド豚肉として打ち出し、次のステップへの足掛かりとするとともに、地域への波及にもつなげたいと考えております。
~笹サイレージとは~
宮崎県畜産試験場が家畜の飼料自給率向上のを目的に伐採した竹を細断、粉砕し、保存性を高めた乳酸発酵(笹サイレージ)させて飼料化したものです。
この笹サイレージは、黒毛和牛の母牛、子牛への給与試験で、嗜好性、健康状態、増体および食味において良好で、機能性の高い粗飼料であることがわかりました。
※1石6鳥の効果
①山を侵食する放置竹林『竹害』の解消
②獣害の減少効果
③放置されていた地域未利用資源の有効活用
④輸入飼料に代わる国内自給飼料としての自給率アップ
⑤低コストの畜産経営
⑥新たなブランド開発
1月の肉の日セールにて笹サイレージ給与豚と一般豚との比較食味アンケートを実施いたしました。
※比較食味アンケート風景
この日ご来店いただきました皆様、アンケートにご協力いただき誠にありがとうございました。
笹サイレージ給与試験、肉質分析、試食アンケート結果発表は2月15日に企画している「新たに進化した観音池ポーク発表会」にて発表する予定となっております。